単車で単写

バイクで時々の散歩の記憶

ダブサン オイルフィルター 交換 オイルタンク清掃 W3 Kawasaki 650RS

先週、霧降高原をダブサンの太いトルクでゆっくり走ろうと前日にW3のオイル交換を行った。

 

やっちまった! 

 

オイルタンク内のフィルター下部が、取れて、別れてしまったのだ。

 

新品のオイルは入れたが、明日のツーリングでは、乗れなくはないが、乗らないほうが良い。無いよりましの旧車の金網のフィルターといえども、無いとオイルタンクからエンジンにスラッジが回り込むからである。

 

ついてないと、まっ黄色のオフ車で、煙幕を吐きながら、大間々からの坂道を上った。ヤマハの2ストオイルを入れておいたので、煙は目だたなかったのが、せめても救いであった。スズキの2ストオイルCCISを入れた時には、忍者ものの煙幕が道路いっぱいとになる。CCISは、湖のトラウトトローリングでも、船を消し去る忍術を使う。アイドリングでルアーを引くボートは船外機からの排ガスで、雲霧ばりの霧をボートがまとうこととなる。無風であればなおさらだ。肺もにも悪い。と言っても、カストロールの2ストの高いやつも性能は良いのだが、香高く、値段も倍だ。やはり2ストオイルはヤマハだ。

 

さてW3のことであるが、こともあろうにオイルタンク内のオイルフィルターを点検清掃しようと思い引き抜いたのが間違いの元であった。しかしこれは、前進への一歩であったのだが。

当時、海外で評判の悪かったKawasaki W1, W3は、4速しかないところにきて、出来が悪く、オイルもれやねじの緩みと振動で、Zのような人気が出なかったようであるが、出来の悪いのは、いとおしい。良く生きていた。生きていてくれるだけで良いということか。しかし、手間のかかるやつだ。

 

 

 

 

オイルタンクから、フィルターを引き上げたところです。

フィルターの役目としては大変能力の低いメッシュのフィルターです。そもそも、部分的に破れていて、要交換ですので、やはり引き上げる運命でした。

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ここが失敗という写真。筒状のフィルターの下部のロウ付けが取れました。

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ロウづけが外れて取れてしまったオイルフィルターの下部の金属カップ

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ゴムパッキンも厚手のものであるがスポンジケーキ状になりつつあり、外そうとしたら破れた。

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ということで、回収。

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さてさて部品さがし。困難を極めましたというと、大げさで、1週間で何とかなりました。

 

カワサキの部品検索では、在庫なし。

ヤフオクでは1本出品がありました。ありがたいですね。しかし、なんと、なんと2万円。そんなバナナ!! 殺生な。とても買えません。純正では、また切れますし。 

純正の新品未使用としても、マフラーとかタンクとかと違い、見栄の部分ではなく、性能の部分ですから、性能の低い純正がそんな高くては? 

しかもまた比較的短期間で破れたり壊れたりする可能性が大です。

 

③対策品のリプロが見つかりました。だめもとでファインテックフカイさんに電話したところ、1万円ほどでパッキンついています。さすが、W1専門店。すぐに買いました。

 

フカイさんのものは、対策品です。上下のカップがつながっていますので、引っ張っても、もげませんね。

ちなみに、写真は下側が上を向いています。ここに、ゴムのパッキンをつけます。

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手作り感がいっぱいです。簡単そうですが、2重3重の構造で、ロウ付けもたやすいものではありません。しかも溶接してあります。一品手作りでは1万円はリーズナブルな価格と思います。

 

ゴムパッキンをエンジンオイルを塗ってつけて、オイルタンクにさしこみます。

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さて、もとい。タンクの清掃は、下部のドレンボルトとオイルの出入りのホース2本を外します。その前に、キックのレバーと、シフトのリンクが邪魔ですので一度外します。そのままでも良いのですが、時間がかかってしまいますので、ものぐさをせずに外します。

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タンクは、右側の外から横2本のボルトと左から入るボルトが内側から1本あります。

下の写真は、シートを外した上からの写真で、内側から1本のボルトが入っていますので、フレキのジョイントとロングエクステンションで車体の左側からソケットレンチを入れて回します。

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これでタンクが外れました。

 

さて、ゴムをつけての挿入の儀式の前に、オイルタンクをシェイクします。

中は45年分の垢がたまっています。黒々とドロリ、ドロリとしたタンク内側。

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洗浄後ですが、こうなります。

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洗浄ですが、長時間バーテンダーになりました。重いタンクに灯油を入れてカクテル作りです。すべて黒いカクテルで、きらきらとメタリックパウダーで輝いているおしゃれな、カクテル命名"ブラックナイト"です。ディープパープルですね。(古い)

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 すぐに灯油の上澄みを回収して、再度タンクに入れること50回くらい。腕はパンパン。受けの100均の食器乾燥容器には、点々と星が光ります。金属です。エンジンの部品が削れたものです。45年分がオイルタンクの底にたまっていたのです。

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これが、毎回出てきますので、タンクでのカクテル作りは、灯油が透明になるまで行いました。

 

しぶといカーボンと金属の粉。

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あまりに汚いので灯油が毎回のように黒くなるのできりがありませんので、コーヒーブレークです。大好きなかたーいのビスケット一枚でエネルギー補給です。

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結局、今回の整備は、片づけまで入れて12時間以上に及びました。

数少ない旧車を整備してくれるバイク屋さんには、エンジンとかのOHはお願いしたいとは思いますが、このような、次元の低い作業は、申し訳ないので自分で暇つぶしをするわけですが、これがまた趣味ですから、面白い訳です。

 

タンク上部のドレーンホースは、ビニール製でしたが、ほぼプラスチック同様にカチカチでしたので、ゴムホースに変えます。80kmを超すとマフラーに油を散布する原因はこの上部のホースです。ポンプが高回転で吐出圧力が上がるためと思われます。オイルがなくなってしまうので、やはりWは下道専用です。下道ロードスターでする。

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タンクカブの接続は、12-13mm程度のワッシャ―が良いようです。今回は14mmをセンター調整してつけました。後でワッシャ―が手に入ったら12-13mm程度のものに変える予定です。

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試運転です。ドスン、ドスン。来ました。

5分ほど温め、町内一周。エンジンしゅしゅしゅといっていた音が滑らかに。

 

タンクを取り付け、新しいオイルを入れての試運転は音が変わりましたが、

 

清掃のせいではなく多分TAKUMIさんの旧車専用のスタンダードオイルを入れた為と思います。これは、クルマ用と思いますが、ゴムのシール、リテーナ類に悪さをしない100%鉱物油ということですので安心です。入れるときに粘ります。ゴムに悪い合成油とは違います。

Wは、エンジン、ミッション、クラッチが別のユニットですので、クルマ用のオイルでも、湿式クラッチの貼りつき、滑りなどの心配はないと思います。それは、エンジン部分にはエンジンオイル、ミッション部分にはギヤオイルかエンジンオイル、クラッチには機械油か、バイク用のエンジンオイル(HondaのG1等)での対処です。

 

 

 試運転も終わり日も落ちてきて、片づけに入ります。

もう乗らないので、人間も給油です。

あっさりとした日本製カールスバーグ

コペンハーゲン醸造所の一杯を思い出します。あれはうまかった。

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