TS125RR キャブ清掃
謹賀新年
正月休みを利用して、TS125Rのキャブを清掃した。
バイク店から入手した時は、排気バルブは動いておらず、中低速もぼこついていました。アイドリングのみ安定していました。
その後、排気バルブの簡易清掃、タイミング調整、腰上ばらしての排気バルブOHと順次エンジンの調子が出ました。特に上は良く吹けるようになり、加速の加速度(瞬発力)は、恐ろしいものがあります。
しかし、問題点が残っています。
①停車から速度を上げていくとき、ボコつきがありました。
②ガソリンの垢が、キャブの外側にこびりついています。ガソリン漏れがあったか、まだ続いている。
上下のパッキンゴムとパイロットスクリュー3サイズを準備してOHしました。
1. エアクリーナーのカバーを取ります。カバーの干渉防止。必須。
カバーは三角より前に飛び出した形です。
2. エアクリーナーとキャブをつなぐダクトを取り外します。
キャブ側のバンドがありませんでした。犯人は不明。
3. エンジン側(つまりリードバルブ側)のキャブの接続のバンドを外します。
これでキャブの両側が取れますが、その前に、燃料ホースとオイルホースを外しておきます。
外れました。アクセルワイヤーでぶる下がっています。
4. 上の2本のねじを外します。これでカバーとスロットルピストンが抜けます。
5. キャブレターが取れました。上部のスロットルピストンとニードルは、ワイヤー側にブル下がっています。
おしり(フロート室)は、ガソリンの垢が特にたくさん付着しています。ガソリンとオイルと垂れてきて、蒸発し残渣が堆積したと思われます。
しかし、やけに毛の多いバイクです。
6. パッと見、エアスクリュー部分が詰まっています。
よくアイドリング動いていました。 スクリューを外して、パーツクリーナーで清掃しました。
7. メインジェット確認
メインジェットニードルは6E20です。純正ノーマル品。
一番上です。一番薄いセッティングです。ふつう真ん中です。
一段下げたいところですが、このままにしておきます。
(変更は、キャブ上部を開けるだけなので、比較的簡単にできますので、OH後の調整を見てからにします)
8. フロート室
このキャブは中のほうがきれいです。走行距離が短いのでうなずけます。
しかし、砂か錆かわからないゴミがあります。こびりついていませんので、吹いたり拭いたりで清掃しました。ドレンホースからの、オーバーフローがないのでレベルの調整は、今回調整しませんでした。
9. スロージェット
30番から25番に下げました。真ん中の大きい穴のすぐ下の小さい穴です。スロージェットを抜いたところの写真ですが、穴の中にごみが見えます。
キタコのスロージェット#25(Amazonで500円程度で買いました。)
17.5や22.5でもよいとのネットの記事もありますが、今回は30→25と2段階ダウン。
20と27.5も買っておきましたので、ダメであれば下と上に振れます。
10. パーツクリーナーとワイヤブラシでは限界かな。キャブクリーナは今回は使用せず。フロート室の外側(下側)もきれいになりました。
フロート室のゴムシール(パッキン)、つぶれて固くなっています。ガス漏れの原因の一つと思われます。
スズキ純正新品。これで最低10年は持つでしょう。
同、裏表があるようで、バカ除けがしてあります。突起部の角がアナありと穴なしになっていて、キャブ本体もそれに合うようになっています。
11.チョーク、外して取り付け、特に問題ないレベル。
12. 組み付けて、もとに戻しました。
オイルホースの取り付けは再度確認。(重要)
昼飯をはさみ、4時間かかりました。
暖かい、無風の冬の日に恵まれ、無事完了。
エアスクリューを軽いあたりまで締め込み、2回転戻します。(暫定)
タンクをつけて、ガソリンコックをあけて、キック。
パン、一発始動。
TSはジェベルと違いよくかかります。
かかりました。不安、払しょく。
清掃後のアイドリング調整は、
①アイドリングが少し上がりましたので、下げます。
②エアスクリューは、2回転戻しで±1/4回転で調整とありますが、あまりアイドリングではわかりません。走る必要があります。
③スロージェットを#30→#25にした影響はないようです。アイドリングが不安定になることはありませんでした。
その後、プロテクター着用し、山間部に思想に行きました。
調整用にマイナスドライバーは、出しておきます。
①低中速の加速中に発生するボコツキ → なおりました。ボコつきは完全に消えて、きわめてなめらかな吹け上がりです。息つきもありません。
今まで濃すぎたようです。原因は、スロージェットではなく、エアスクリューの穴のつまりだったようです。バイク店から買った時のセッティングは1回転戻しでした。これで安定していたのですが、実は濃いめのアイドリングだったようです。プラグの中心はきつね色で、周りがカーボンが付着していましたので、メインジェットが薄くセットされているので、走行中はかぶらず、アイドリングですすけたようです。
②結果ですが、以下の変更を行い快調にふけるようになりました。
エアスクリュー; (清掃前の元のごみが詰まった状態)1回戻し→(清掃後)2回戻し
パイロットジェット; (元)純正30番 → (清掃後)KITACO 25番
全域、どこの回転数を使ってもステイブルで、心地よく、アイドリングにすとんと戻しても安定しています。4ストのようなドンツキもなくビビドです。さらに低速も粘ります。4ストのようなノッキングもなくトローリトローリと林道の荒れ地をゆっくりも進みますし、瞬間的に地面をけってコーナーを曲がっていきます。
ライダーの意思がダイレクトに伝わるバイクです。
11月に手に入れて、やっと安心して走れるようになりました。この間、
Ⅰ, 固着しかけて、プーリーのボルトが緩んでいた、排気バルブ
Ⅱ, きれそうなチェーン
Ⅲ, 垢だらけで、ボコつくキャブ
以上、解決しました。
調子を調べるので、試走中にアクシデントが起きなかったのは、ラッキーでした。
今後は、外装を手直ししていきます。