単車で単写

バイクで時々の散歩の記憶

絶滅2ストロークオフ車 TS125R 排気バルブ②タイミング調整

スズキの水冷2ストロークエンジンの排気バルブは時限爆弾で6000km程度の走行で清掃しないと固着し、自爆するとの記事が多くある。ヤマハ、ホンダの空冷2ストロークは自爆は起きないとのこと。

 

鈴菌被害者からすると、スズキに失礼ではないかといわれるかもしれない。

乗るときはやはり不安になるが、そのため自信が持てる程度まで整備して乗るのが、鈴菌被害者の生きがいというものではないか。

一方、ヤマハであろうがホンダであろうがメンテするというのはバイク乗りを趣味とするものの基本であり、この意味では鈴菌被害者となんら変わりない。

*1

 

排気デバイスのプーリーの調整を行った。

排気デバイスの清掃は、エンジンを下さずメンテできる範囲として、シャフトとアーム部分だけ行ったが、それで排気バルブは固着していないことがわかり、スムーズに動いている。バルブそのものはガスケット入手後に行うことと先送りした。

 

取り急ぎ、目盛を見ただけでずれていることが分かっている、排気バルブの開閉タイミングを調整した。

 

①キーON、エンジン始動(これで、②の動作が起こればアクチュエータは壊れていない。動かなければ、アクチュエータを買うこととなるが2万円の出費となる)

②アクチュエーターが始動し、プーリーが初期化動作。CCW回転(反時計回り)で全開(つまり高回転状態)を一瞬つくり、CW回転(時計回り)で戻る(つまり制御バルブ全閉状態、低回転域)。マニュアル通りの動作で、鈴菌篤志家(とくしか)の投稿をyoutubeでも見ることができる。

 

調整前は、ワイヤーの頭の丸い部分の間にある目盛がケースの目盛より左にある。

つまり位相としては遅れている。目盛は二つあるが、ワイヤーの頭のかしめの丸の間の目盛とマニュアルには記載があった。

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③1側ワイヤーを伸ばす、つまり真鍮金具をねじ込むと相対的にワイヤーは長くなる。これで目盛を右に、つまりプーリーをCWに回すことができる。

④このままだと2側のワイヤーが遊ぶので、2側のワイヤーを張る。そのときの遊びを0.5mm程度残す。真鍮の金具を戻す(CCW回転)ことで、2側のワイヤーはワイヤーチューブが相対的に長くなり、ワイヤーは相対的に短くなり、張りが出て、遊びが減る。一度遊びがゼロになるまでワイヤーを張り、少し遊びを作る。2のワイヤーケーシングをゆすって、遊びを座らせてから遊びの量を見る。

 

調整してみた。

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この写真の調整では目盛一つ分、開きすぎの方向にずれている。

少し、再調整。

 

注意点としては、0.3-05mm程度の遊びを残す。それを右のワイヤーで読む。

 

コツとしては、二本のワイヤーの調整金具は、逆向きに動かす。それとこのひとつ分の目盛調整は、目盛半分調整するつもりで行わないと、微妙に行き過ぎる。

 

これでよいと思われるが、マニュアルをよく読んで整備しないと、エンジンやアクチュエータを壊すこととなる。

 

 

*1:小型船舶の2st船外機での経験では、スズキのほうがタフであった。ヤマハは何度修理してもギヤボックスに水が入り、最終的にはベアリングの破損となった。ギャボックスを別のものに変えたがやはり水の侵入は防げなかった。